更新日:2018年4月16日
厚生労働省の調査によると、子どもを望んでいるカップルの約10組に1組は不妊で悩んでいるということが明らかになっており、不妊で悩んでいる方は決して少なくありません。
不妊には様々な原因があるとされていますが、なかなか検査では明らかにならない原因も多く、不妊に対していろいろな治療やアプローチが実施されています。
不妊の原因のひとつとして考えられているのが体質の問題です。
体質を改善して妊娠を成立させるように働きかけるひとつの方法として「鍼灸治療」があります。
特に、人工授精や体外受精をされる方にとって鍼灸治療は大きなメリットがあると考えられています。人工授精・体外受精直前の鍼灸治療は一体どのような効果や影響をもたらすのでしょうか。
このページでは、人工授精・体外受精直前の鍼灸治療効果について詳しくご説明いたします。
【目次】
不妊症とは、妊娠を希望し2年間性生活を行っているにもかかわらず、妊娠が成立しない場合のことを言います。
不妊症はいくつかの原因が存在し、女性の側にも男性の側にも原因があることがあります。
最も多い順に、内分泌・排卵因子、卵管因子、子宮因子、頸管因子などがあります。
1)内分泌・排卵因子
ストレスや体重減少などによる排卵不順、高プロラクチン決勝、多嚢胞性卵巣症候群、卵巣不全、内分泌・代謝疾患などが
2)卵管因子
クラミジア感染などによる卵管閉塞または狭窄、卵管周囲癒着(手術の既往などによる)、卵管留水症など
3) 子宮因子
子宮奇形、子宮発育不全、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎など
4) 頸管因子
頸管炎、頸管粘液産生不全
5)免疫因子
抗精子抗体
6)その他の因子
子宮内膜症、黄体機能不全、その他の膣因子(閉塞や欠損など)
1)男性因子
造精機能障害(染色体異常、精索静脈瘤、停留精巣、無精子症など)、精路通過障害(発育不全、精管炎、精巣上体炎など)、副性器障害(精嚢炎、前立腺炎など)、性機能障害(性交障害、射精障害など)
2)免疫因子
抗透明帯抗体
他にもさまざまな検査結果を持ってでも原因がわからないものもあり、このような不妊にお困りの方は不妊症の10−20%が該当すると言われています。
治療法はそれぞれの原因に対する治療法が必要となってきます。また不妊治療の大部分は保険が効かないため、精神的な負担だけではなく経済的な負担も大きくなります。近年では晩婚化の傾向から不妊症の原因となる子宮内膜症や子宮筋腫なども影響しています。
人工授精・体外受精直前の鍼灸治療効果について理解するには、まず鍼灸治療について理解しなければなりません。
鍼灸治療といっても鍼治療と灸治療は全く異なるものであり、まずは鍼治療についてご説明します。
鍼治療とは、鍼を直接患部の皮膚に刺すことによって治療を行う方法です。鍼治療には、単刺、置鍼、パルス鍼などの種類があります。
単刺は鍼を刺したあとに鍼を上下左右に動かしたり、弾いたりして軽い刺激を与えた後にすぐ抜く治療方法です。一方、置鍼は、鍼を刺した後5~15分ほどそのままにして抜く方法で、パルス鍼は刺した鍼に微弱な低周波(パルス波)を流す方法です。
鍼治療には、自律神経のバランスを整えるという大きな効果があり、血液の流れもよくなって冷えやむくみをはじめとする、様々な体の不調や体質が改善できると考えられています。これは鍼を刺すことによって、鍼の刺激が神経系に働きかけ、鎮静効果や自己免疫力が高められるためです。
灸治療とは、燃やしたもぐさを患部に乗せ、患部やツボへの刺激を与える治療方法です。
もぐさとは、ヨモギの葉の裏にある綿毛から作られたものです。
ヨモギの葉は日本人に馴染みの深い植物ですが、ヨモギそのものも古くから薬として使用されているほど、様々な効能をもった植物だと考えられています。
灸治療には、燃やしたもぐさを直接乗せる直接灸という方法と、もぐさと皮膚の間に専用の紙を置き、それからもぐさに着火する間接灸という方法があります。
灸治療によって得られる効果は、血行改善や免疫力向上などです。灸によって与えられる熱刺激で皮膚の下にある筋肉や血管、リンパなどが刺激され、免疫力が向上すると考えられています。
また、もぐさの香りにはリラックス効果もあるので、それによって自律神経のバランスも整えられます。
灸治療は、近年では鍼治療とともに、女性からの注目が高まってきている治療方法になっています。
不妊治療に鍼灸と聞いて驚かれる方もいるかもしれません。ここで、人工授精・体外受精直前の鍼灸治療効果についてご説明します。
先ほどもお話ししたように、不妊の原因はさまざまなものがあります。
例えば原因が卵巣にあるのか、子宮にあるのかによっても対象も異なり、治療のターゲットとなるツボなども異なってきます。
また原因は女性の側だけではなく男性の側にあることもあり、最近ではご夫婦に対し鍼灸治療を行なっている治療院も増えています。
東洋医学では、冷えや自律神経のバランスの乱れによる体の不調が不妊の原因になると考えられることがあります。現代では女性の社会参加も一般的となり、ストレスを抱える方が多いと聞きます。
ストレスにより女性の体が妊娠に耐えられないと判断されると自己防衛反応により、生殖系の臓器は母体へのリスクを下げるために保護作用が働き不妊となるとも聞きます。そのため現代の不妊治療には精神的なストレスに対する配慮を行うことも重要になっています。
人工授精・体外受精直前に鍼灸治療を行うことで、女性特有のツボを刺激し、子宮や卵巣などの機能が向上したり、ストレスや冷えが改善されることでホルモンバランスや血行が良くなることが期待されています。
実際に、海外の論文では、体外受精で胚を移植する直前に鍼灸治療を行ったグループの妊娠成立の確率のほうが、鍼灸治療を行わなかったグループと比較して、有意に妊娠の成立の確率が高くなったと報告されています。
また、人工授精直前の鍼灸治療においても、これまで人工授精を何度やってもうまくいかなかったカップルが人工授精の陽性判定を得ることができ、その後無事に元気な赤ちゃんを出産したという症例も報告されています。
病院の不妊治療と併せてできるという点も鍼灸治療を行うメリットのひとつです。専門の病院で不妊についての具体的な問題を検査しつつ、その問題にアプローチできるような鍼灸治療を鍼灸師と相談しながらすすめていきましょう。近年では、不妊治療に特化した取り組みを行っている鍼灸院もありますので、ぜひご自身にあった鍼灸院を選択してみてください。
人工授精・体外受精直前の鍼灸治療には人工授精や体外受精の成功を高め、妊娠を成立させるような効果が期待できることが明らかになっています。
また妊娠の継続に効果のある鍼灸もあります。
これは、鍼灸治療により自律神経のバランスが整えられたり、血流が良くなることで冷えが解消して卵巣や子宮への血のめぐりが良くなったり、ホルモンバランスが改善される可能性があるためです。その結果、卵子の質が向上したり、受精卵の着床が助けられると考えられます。
鍼灸治療は病院での治療とあわせて受けることができ、不妊治療を専門に行っている鍼灸治療もありますので、不妊に悩まれている方は鍼灸治療も人工授精・体外受精前の一つの選択肢として考えられると良いです。どうか諦めないでください。
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