更新日:2017年12月26日
不妊症とは、積極的に妊娠をのぞんでいるにもかかわらず、1年以上その成立がない場合をいいます。
近年では、不妊症でお悩みの方は増加傾向にあります。原因に個人差があり特定しにくく、対処の方法もさまざまです。
妊娠に至らないことの要因としては、妊娠しにくい体質であることや年齢、妊娠の妨げとなる生活習慣や環境をはじめ、婦人科系の疾患が隠れているなど、いろいろなことが考えられます。
そのなかで、飲酒の影響というのも議論されることのひとつです。
不妊症とお酒の関係を知ることは、これから妊娠を考えていらっしゃる方々にとって、とても大切です。このページでは、妊娠をのぞまれている方のために、不妊症とお酒の関係について詳しく説明しております。
【目次】
飲酒が身体に与える影響には、メリットとデメリットがあります。お酒は昔から「百薬の長」と言われるように、摂取する量に気をつければ良薬にもなりうるのです。
しかし飲み過ぎてしまうと肝臓などへの負担が増えてしまい、さまざまな弊害を呼び寄せることにもなるのです。
飲酒は習慣になりやすいものですが、「一日の適切な摂取量」の目安があります(体格など平均的な日本人を基に考慮)。
日本酒は1合(180ml)、ワインならハーフボトル半分、ビールで中瓶1本(500ml)、缶チューハイなら1缶と半分(520ml)、ウイスキーではダブル1杯(60ml)です。
上記した程度の量であれば、就寝している間(約5時間以内)に体内で処理され、翌朝まで酔いを持ちこさないと考えられます。ただしその間、肝臓は働き続けているわけですから、いわゆる「休肝日」をとるのは重要です。また、精神的な面でお酒に依存することも避けるべきでしょう。
摂取するお酒の量が行き過ぎなければ、飲酒することのメリットもあります。食欲を増進させ、食事が楽しくなります。また血行を促進し、ストレスの解消にもつながります。開放的な気分になり、人と人とのコミュニケーションを円滑にすることにも役立ちます。
女性の不妊症とお酒の関係は、これから妊娠を希望される方にとっては気になるところでしょう。適量を守った飲酒であれば問題はないという意見もあります。
しかし、妊娠・出産の時期に、お酒が与える女性の身体への影響を考えると、控えるのが得策です。
過度の飲酒は、肝臓をはじめ、全身のさまざまな疾患を引き起こす可能性が示唆されています。
とくに女性の妊娠・出産に関わるものとしては、月経不全や卵巣機能不全、胎児性アルコール症候群、流産などのリスクをともなうことがあります。
女性の不妊症における原因には、卵巣の機能不全や卵管狭窄(らんかんきょうさく)、子宮筋腫、子宮内膜症など、さまざまなことが考えられます。しかし、これら以外で、明確な疾患が特定できない「原因不明」の割合が高いのも事実です。
何が不妊症を引き起こすきっかけとなっているのか原因がわからない場合は、あらゆる可能性を取り除くことで対処します。お酒に関しても「適量を守れば大丈夫」ということに甘んじるのでなく、「飲酒をしなければ影響を受けることはない」といえるのです。
女性ホルモンの影響で、女性はアルコール代謝の機能が男性より低く、そのことから肝障害の危険性が高くなると言われています。またアルコールに依存する傾向が男性より強いこともあり、できるだけ飲酒の習慣は持たない方が良いと思われます。
男性の不妊症は、女性とくらべると特定しやすいものです。
精子の数が少ない、あるいは精巣内にまったく精子が存在しない無精子症、またはED(勃起障害)などにより性交そのものが難しいとされる性交障害、男性ホルモンの低下、睾丸萎縮などがあります。
お酒と男性不妊の関係を考えてみますと、ひとつは精子の質に関わる問題があります。
男性がお酒をのむと、アルコール分解に必要なアセトアルデヒトという物質が精巣内に増えるといわれます。このことが、精子を作る機能を低下させることがわかっています。
またビールやチューハイなどは冷やした状態でのみますから、身体を冷やすことにつながります。男性は女性よりも体温が下がりにくいとはいえ、冷たいお酒を大量に摂取すれば確実に内臓は冷えます。そのことも、精子の数や質を低下させる一因となっているのです。
また、お酒を飲み過ぎてしまった日は、性交がうまくいかなくなる可能性があります。アルコールは、中枢神経を麻痺させる働きがあります。性交時に、勃起するよう指令を出す神経も正常に働くなくなるのです。
お酒をのむと血流が良くなり、そのこと自体はメリットであると先に述べました。しかし男性の勃起した状態を維持するためには、血液を陰茎に留める必要があり、血流が良すぎるのは逆にマイナスとなる場合があるのです。
大量に飲酒される方や晩酌が日課になっている方は、いざ性交を試みようとしても、コンディションが悪くて思うようにならないという状況を招くおそれがあります。お酒が原因となる勃起不全は、できるだけ避けたいものです。
不妊治療中の飲酒についても、注意したいことがあります。
まず不妊治療にはさまざまな種類があり、生活のスタイルや経済的な状況、年齢や考え方、お悩みの疾患などにより、選択する方法が違ってきます。
どのようなものがあるか、下記にまとめました。
(1)タイミング療法
女性が排卵する時期をさぐり、最も妊娠しやすいタイミングで計画的に性交を行う方法
(2)人工授精
性交を行うことなく、採取した男性の精子を女性の子宮内に注入し妊娠に至らせる方法
(3)体外受精
採取した卵子と精子を受精させ、受精卵になったところで女性の子宮に戻す方法
(4)顕微授精
顕微鏡を用いて、状態の良い精子を選び直接採取した卵子に注入し受精させる方法(それ以降は体外受精と同じ手順)
どの治療法を選択するにしても、妊娠するのに好ましい生活習慣や環境、食事内容などを積極的に取りいれ、卵子の質を高める必要があります。その中で、飲酒の習慣はあまり好ましいこととはいえません。
不妊治療のタイミング療法などでは、排卵誘発剤といった薬剤がしばしば使われます。飲酒の習慣がついてしまっていると、薬効が落ちることがあります。また体外受精などの準備段階で採卵をする際に、麻酔がなかなか効かないケースもあるようです。
女性の生理周期により、妊娠につながる期間は限られていますので、その機会を逃さないよう心がけます。不妊治療のことだけを考えて生活するわけにもいきませんが、大切な日に向けて体調を整えておくことは肝心です。身体の冷えに気をつけ、不摂生のない規則正しい生活をすることは大切です。
知らないうちに、妊娠へのプレッシャーがストレスになっているかもしれません。お酒は一時的にイヤなことを忘れることができたり、楽しくなれる材料です。しかし「アルコール依存症」という落とし穴もあります。お酒以外の気分転換を見つけましょう。
不妊治療中は先が見えにくく、とくに女性は負担が大きく不安に陥りがちになります。ひとりで悩みをかかえず、パートナーに相談するようにしましょう。どうぞあきらめず、あせらずに治療と向き合ってください。
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