妊娠のためのメカニズムは、まず卵巣の中で卵子が成熟していくことから始まります。卵巣とは、子宮の左右に1つずつ存在する親指の頭ほどの大きさの器官です。女性は卵子の元となる卵祖細胞を、約500万個持っているとされています。この卵祖細胞は、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンの放出に伴い2度の減数分裂を行います。
細胞が分裂して増加していくには、体細胞分裂と、減数分裂という2種類の方法があります。体内にある細胞のほとんどは体細胞分裂という、分裂後も染色体の数が変わらない分裂方法を行います。しかし、卵子や精子には染色体の数が半分になる減数分裂という特殊な細胞分裂が生じます。
この卵祖細胞は女の子が生まれる前に一度目の減数分裂を始め、この第一減数分裂の前半でしばらく休止状態となります。この休止状態となった卵母細胞は、出生から少しずつ変性や吸収をしていき、思春期を迎える頃には約4万個まで減少しています。思春期以降になると、このうちの最も成長の早い主席卵胞は約20mmにまで成長していきます。
妊娠のメカニズムで大切となるのは排卵です。主席卵胞が20mm程度まで大きくなると、次いで下垂体から黄体形成ホルモンが分泌されます。この黄体形成ホルモンの刺激によって卵胞の皮が破けて、中から卵子が出てきます。この卵胞から出た卵子が、卵巣の表面から飛び出すことが排卵です。卵子が出て行った後の卵胞には血液が流れ込むことで、黄体へと変化します。この変化を、黄体化と言います。
卵巣から出てきた卵子は、受精の場である卵管へと向かいます。卵巣と卵管は直接つながっているわけではなく、排卵された卵子を卵管の先端部分である卵管采が拾い上げることで卵管内へと進んでいきます。排卵後の卵子の持つ受精能力は約24時間保たれており、卵管内の広くなった部分である卵管膨大部で精子と出会うことで受精へとつながります。
一方、排卵後にエストロゲンやプロゲステロンの作用によって、子宮内膜が肥厚してきます。妊娠が成立しなかった場合には、この子宮内膜は不要となって剥がれ落ち、血液などと共に体外へと排出されます(月経)。約24時間のうちに受精しなかった卵子は、この時に一緒に排出されます。
性的に成熟した女性では、4週間に1回程度の頻度で排卵が起こり、卵巣から放出された卵子が卵管へと取り込まれます。妊娠のメカニズムにおいて、重要な受精です。
一方、精子は男性の精巣で作られます。1回の射精により数億もの精子が女性の膣内から卵子を目指します。膣内に射精された精子は、子宮の入り口である子宮頸管、そして子宮体部を通過して約1〜3時間で卵管へとたどり着きます。精子はおたまじゃくしのように頭部と尾部があり、尾部の運動によって分速2〜3mmほどの移動速度で進みます。この時、運動能力や活動性の低い精子は、酸やフローバックによって淘汰されていき、最終的に卵管へと到着するのは数十〜数百個程度となります。
受精が起こるのは卵管膨大部という卵管の広くなった部分であり、卵管膨大部に到着した精子は2〜3日間ほど、受精能力を保ちます。この2〜3日の間に卵子が卵管内にたどり着くことで受精が起こります。精子は、卵子を取り囲んで酵素を出し、卵子の放線冠と透明帯を溶かして侵入します。1つの精子が卵子へと侵入することで、性質が変化しその他の精子が侵入できないようになります。
卵管膨大部で受精した精子と卵子は、膜同士が融合して受精卵という1つの細胞となります。受精卵は約24時間で細胞分裂を行い2個の細胞に、その後も4個、8個と分裂を繰り返します。これらは球形を保っており、分裂が進むことで桑実胚と呼ばれるようになります。
桑実胚は卵管の中を移動しながら、5〜6日ほどして子宮へと到達します。この頃の受精卵は、胚の中に胞胚腔と呼ばれる腔所が形成されており、胚盤胞へと名前を変えます。胚盤胞は子宮に到達すると拡張し、透明帯が破れます。そこから内細胞塊と栄養膜細胞層が外へと出ていく孵化が起こります。これが子宮内膜に接合し、浸潤することで着床が成立します。
排卵後、子宮内膜はエストロゲンやプロゲステロンの働きによって肥厚していきます。そして、さまざまな栄養物を蓄えることで、受精卵を受け入れ、発育させる準備をします。さらに、子宮の蠕動運動が少なくなることで、子宮内膜への着床が起こりやすい状態となっています。
まとめると、まず減数分裂によって卵子が成熟し、思春期以降になると卵巣から卵子が飛び出す排卵が起こります。この排卵された卵子と膣内に射精された精子が、卵管内にて受精し、子宮内膜へと着床します。着床が始まるのは、排卵からだいたい6〜7日後とされており、着床完了は排卵から約12〜13日後となります。子宮内膜に着床した胚盤胞が完全に埋没することで着床が完了し、一般的には、この着床完了が妊娠のスタートとなります。
妊娠が成立すると、その兆しとして月経が止まります。また、着床により栄養膜合胞体層からヒト絨毛性ゴナドトロピンという妊娠ホルモンが分泌されます。このヒト絨毛性ゴナドトロピンの影響で、基礎体温が上昇する高温期が20日前後続きます。妊娠早期での検査はこのヒト絨毛性ゴナドトロピンの検出や測定によって行います。その他にも、妊娠が成立した着床後には、おりものに混じったわずかな出血(着床出血)や、下腹部の痛み(着床痛)、熱っぽさやだるさなどの風邪に似た症状、胸のはり・痛み、吐き気、精神的な不安定状態などの症状がみられやすくなります。
妊娠のメカニズムを知る事は、あなたの体について知る事です。赤ちゃんと出会うためには、とても大切な事なのです。
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